沖縄随一の自然食品店【ハッピーモア市場】

沖縄県中部にある暮らしの発酵ライフスタイルリゾートから車で約20分。沖縄県内屈指の自然食品店〈ハッピーモア市場〉には、沖縄県産野菜をはじめ、全国から仕入れたこだわりの農産物や自然派の加工食品が並ぶ。おいしさや安全性だけでなく、買う楽しみと元気をもらえる買い物スポットだ。

売る側も買う側も「知って」買える場所を

 「〇△さ〜ん!こんにちはー!いらっしゃーい!」「△□さん、お久しぶりですねー!」。お店にいるお客さん全員の顔と名前を憶えているのかと思うほど挨拶を交わす、ハッピーモア市場スタッフの長谷川涼子さん。ここに足を運ぶ人達は、おいしい野菜や安全な食材を買いに来るだけではなく、こうしたスタッフの方々の明るい笑顔に元気をもらいに来ているのだろう。

明るい笑顔でお客様を迎えるスタッフの長谷川涼子さん

 「ありがたいことに常連さんがとても多いですね。沖縄県外の方も増えて、旅行で沖縄に来ている方も店内で見るようになりました。やっぱり農薬を気にして買いに来る方が多く、県内の自然派飲食店さんもよく来てくれます。農産物には農薬と化学肥料の使用表示をしているので、お客さんご自身の判断で野菜を選ぶことができます。
 ハッピーモア市場は2021年まで別の場所に本店がありました。社長のお父さんがトマト栽培をされていた場所です。その土地を有効活用するために農産物の直売所を始めたんですが、『野菜を買う時に何も表示がないから、誰がどうやって作ったのかがわからない状態を変えたい』『売る側は生産者の顔や栽培方法を知っていて、買う側はちゃんとそうした情報を知った上で安心して買うという流れを作りたい』という思いで、設立当初から農薬の使用表示をした農産物の販売を始めました。そもそも農業とは畑違いのことをしていたから、農薬や化学肥料のことを自分たちが知りたいと思って始めたそうです。」え

顔の見える関係づくり

 本店がスタートした当初は野菜を持ってきてくれる農家さんが少なく、売り場にも活気が生まれずに苦労されたそう。それでも、大きなスーパーに卸せるほどの収量が無く、家族で食べるには持て余す量を作っている小さな農家さん一軒一軒に電話をかけ、徐々に野菜が集まるようになった。2021年に本店を宜野湾市のトロピカル店(号店)に集約し、沖縄県内外を含めて1000軒ほどの生産者(加工品を含む)と現在取引をしている。

 「野菜を納品してくれる農家さんのほとんどがおじーおばーです。80歳を超えて現役で野菜を作ってくれています。本店の時はおじーおばーが野菜を納品に来てゆんたく(おしゃべり)して帰るという光景がありましたね。トロピカル店だけになってからは、本店近くの農家さんで車の運転ができない人は納品に来られないから、本店があった場所まで持ってきてもらって私たちが運ぶことを今もしています。」

店内にはスタッフが想い想いに書いた手書きポップが並ぶ。生産者さんを直接知っているからこそ、伝えたい想いがポップにあふれ出ている。

 「基本的にお店で扱っている農産物を作っている農家さんで知らない農家さんはいないです。加工品もそうで、仕入れ先の方からの紹介だったり、お客さんからの紹介だったりで、どんな方(会社)が作っているのかを知った上で販売しています。知らなかったら訪問しますしね。
 うちのウリはこの農産物の紹介を書いているポップなんですが、農家さんの顔や人となりを知ると、ポップに書く内容が変わるんですよ。作っている人を知ると書けることが増えますね。お客さんたちはこのポップを見て買うことを楽しみのひとつにしてくれているので、ここで働くメンバーは全員ポップが書けるようにトレーニングしています。
 売れ残りそうになったらポップを書いてアピールします。作ってくれた農家さんの顔が浮かぶから『絶対売ろう!』という気持ちになるし、スタッフみんなが捨てるものをなくす・循環させるという意識をもって働くことで、食品ロスはかなり減りました。」

食品ロスを減らす取り組みから生まれたフレッシュ野菜や果物のスムージーも大人気!

「なんかやっていた方が楽しいよね!」

ほぼ毎日のように開催されている店内イベント。思わぬお気に入りに出逢えることも。

 店内イベントもハッピーモア市場の楽しさのひとつ。店内出店ブースでは、ほぼ毎週かわるがわる出店があり、店の外スペースも使った大きなイベントも2〜3ヶ月に回開催している。イベント担当の金城未奈美さんはハッピーモア市場で働くようになって体も生活も一変したひとり。

店内のイベント担当をしているスタッフの金城未奈美 さん。

 「ここで働く前は飲食店で働いていて、完全に夜型の生活でした。健康とか自然派とか気にしたことがなかったし、自分が食物アレルギーを持っていることにすら気づいていませんでした。小麦を食べた時の体の違和感や不調はそういうものだと思っていたんですが、職場のみんなと話していたらそれは小麦アレルギーだと知って(笑)。小麦を食べないようにしたら体調が良くなったし、生活が朝型に変わったのもあって、健康診断がオールAになりました!
 イベント企画は大変だけど、お客さんが毎日来ても何かしら違うイベント事があった方が楽しいじゃないですか。出店していただくお店の組み合わせも考えています。和菓子屋さんとお茶屋さんを同じ日にしたり、ビーガン料理の方とお肉屋さんを一緒にしないようにしたり。相性が良さそうなお店同士で何かしらの相乗効果が生まれると嬉しいですね。」

真夏を除き、2~3ヶ月に1回開催されているマルシェ。生産者さんと直接会話を楽しむことで、ますますファンになってしまう。

 買い物という行為は〈モノやサービスを得ること〉であるけれど、ハッピーモア市場での買い物は、〈作る人・売る人・買う人、みんなのハッピーを増やすこと〉であると教えてくれる。ハッピーモア市場であなたがハッピーになる逸品を探してみては?


2022年12月取材「暮らしの発酵通信」17号掲載

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この記事を書いた人

里菌 かこ
「暮らしの発酵通信」ライター/発酵ライフアドバイザーPRO.

微生物関連会社に10年務め、農業・健康・環境などあらゆる分野での微生物の可能性について取材し、業界紙に掲載。発酵ライフアドバイザーPRO.の資格を取得し、発酵食品についても広く知識を深める。ライティングだけではなく、ワークショップ講師やイベント企画も務める文武両道の発酵ライター。

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